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現場にある案内板を中心に説明してありますので、現場で読む時間を削減できます。
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遠方の方は高速バスで
『…旅もこの頃は、矢鱈(やたち)に金がかゝるばかりで面白味がなくなった。何処へゆくにも汽車ができて、旅らしい気分も味へなくなった。昔なら、一里歩けば赤い毛布をかけた茶屋があって、中食をとるにも、うどんとかそばと云った手軽なもので用をたすことが出来たものだが、今は3里いっても4里行っても見出されない。仕方がないから、町の停車場前へ行って中食をとると、安くあがらないうへに、少しも面白味がない。
 元来、旅の面白味と云ふものは、歩くことにあるのである。だから、昔の人はよく歩いたもので、少しでも早く、少しでも多く歩くように心がけたものである。しかし、今の人はこの歩く旅行を知らないものだから、昔の人が街道をよけて近道をとって、少しでも早く歩かうとしてゐた事実を知らないで、よく間違ひを起こしてゐる。芭蕉の「奥の細道」を読んでもよく了解されるやうに、彼も近道をとってゐたのであった。…』
大正14年発行 『旅』2月号掲載の田山花袋「昔の旅に就いて」のはじまり。

東洋の思想の中では、人間が生きていることじたいが
悠久の時の流れの中で、かりの姿であり、
それを旅にたとえることが行われてきました。
つまり人間が生まれたときに
一生というはかない旅がはじまり
旅そのものが崇高な宗教的意味をもっている。

「月日は百代の過客にして、行きかう年もまた旅人なり
舟の上に生涯を浮かべ馬の口をとらへて老いを迎ふる者は
日々旅にして旅をすみかとす、片雲の風に
誘はれて漂白の思いやまず…
そぞろ神の物につきて心は狂はせ、道祖神の招きに
あひて取るものてにつかず…」

「日光道中」が人生の中の一つの旅とするならば
古人の面影を偲び「道」をたどってゆく。
すなわち「道」は「茶道」「華道」「柔道」などの
修行をしてその道を極めることになり
「道」は「未知」なる世界への旅立ち
先人が営々と築いた「道」をはじめて歩くとき
それは「自分」の道となる
また、「みちのく」は「道の奥」、
宇都宮から日光から別れ「奥の細道」となる
さあ、歩き始めよう。日光道中へ。

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